マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

雄蛇ヶ池とアナゴ天重

▶6月に入った。緊急事態宣言は延長されたが、ワクチン接種が本格化しつつあるので、心なしかメディアの論調も、明るさを取り戻しつつあるように見えるのだが、どうだろう。政府もここぞとばかりに、ワクチン接種の加速化を打ち出して、高齢者接種がやっと軌道に乗り始めばかりにもかかわらず、一般者向けに学校や職域での接種の方針をぶち上げた。まあ、菅首相のその気持ちは分からないではないが・・・。

▶昨日は晴れて気持ちが良い一日だった。梅雨のような天気が続いたあとの、まるで遅れてやってきた五月晴れのようだった。朝食をとったばかりであるが、昼飯をどうしようかと考えたあげく、久しぶりに天ぷらを食べようと思い立った。一人身では、意外に揚げたての天ぷらを食べる機会が少ないのだ。ネットで東金にある海鮮食堂を見つけたので、早速バイクを駆って出かけた。

▶126号線(東金街道)を使って行ったが、東金に入ってすぐに「雄蛇ヶ池」という看板を見つけた。ここは名前は知っているが訪れたことがない。昼飯までに小一時間はあるので、立ち寄ることにする。初めて行った雄蛇ヶ池は、池という名にしてはもったいないほど広大な湖だった。看板を見ると、江戸時代の初めに造られた灌漑用のため池なのだが、三方が山に囲まれていて、湖岸が複雑に入り組んでおり、広さは22万平米もある。池の周囲には遊歩道が設置されており、一周すると3.3キロなので、せっかくだから散策することにした。
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▶湖面を見ながら時計回りに歩き始めると、すぐ鬱蒼とした山道に入る。道幅が狭く、小さなアップダウンもあって、下りの坂で前に出した脚が少し滑って転びそうになる。そう言えば遊歩道の入り口に、暗くなってからはこの道に入らなないようにとの注意書があったことを思い出した。人(ひと)気のない道を暫く歩いていたら、前方の竹やぶの斜面から降りてくる人に出会った。どうやらタケノコを採っていたようだが、挨拶をしていいものか躊躇する。
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▶湖岸に目を転じると、二人ほど釣り糸を垂れている釣り人を見かけた。ここでは、ブラック・バスやフナが釣れるのだそうだ。すれ違う人はほとんどなく、野鳥が鳴く長閑な山道を歩いて45分ほどで駐車場まで戻ってきた。いやいや、近くにこんないい湖があるとは知らなかった。そこから5分くらいバイクで走って、目指す食堂「活き活き家」に着いた。

▶この食堂は、海産物販売所が食堂を併設しているような作りになっていて、入ると先客が一組居るだけで、ガラガラだ。早速「天使のエビ入りアナゴ天重」を注文して、待つこと10分で揚げたての天重が出てきた。色とりどりの天ぷらが盛り付けられた天重は、期待に違わず旨かった。添えられたお椀は、アサリ入りの澄まし汁で、こちらも文句なし。これで1680円は安い。
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▶せっかくだから、店で販売されている「ホンビノス貝」(※東京湾で採れるハマグリに似た外来種で、最近メディアでもよく紹介されている)でも買って帰ろうかと思ったが、この陽気の下でバイクに生鮮の貝を積んで走るのは、さすがにリスクがありそうなので、あっさり諦めた。久しぶりに食べた天ぷらは、文句のつけようがない旨さだったが、量が多かったので、夕食まで胃が少しもたれる気分になったのは、ご愛嬌だ。