マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

米メジャーリーグのオールスター戦


f:id:Mitreya:20210714160326j:image
▶テレビをつけると、朝から野球中継だ。米メジャーリーグのオールスター戦が、コロラド州デンバークアーズ・フィールドで始まった。昨年はコロナの影響で中止されたが、今年はワクチン接種も進み、2年ぶりに無事開催にこぎつけた。ビールメーカーのクアーズの名前を冠した球場は観客で満員で、これから開催される東京五輪も形無しの盛り上がりだ。

▶生放送の配信も五輪級で、NHKBS放送と民放のテレビ朝日が同時配信するというから恐れ入る。テレビ朝日は、羽鳥モーニングショーをぶち抜きで放送した。いつもは、政府のコロナ対策や五輪対応に関してぎゃんぎゃん言っている玉川徹は、およびでないのか、殆ど発言せず、スタジオの長嶋一茂が、天下を取ったような顔でコメントしていた。私もテレビ画面を食い入るように見ていたが、お目当ては言わずと知れた大谷翔平である。

▶実は昨日のホームラン・ダービーも見た。メジャーのホームランバッターによるホームラン競争だが、何と優勝賞金が1億1千万円。しかも、8人の出場者の最後に登場した大谷が、現時点でメジャー1位の33本のホームランを打っているので第一シードとなっている。まさか日本人バッターがこのような場面に登場するなんて、誰が想像しただろうか。大谷の結果は、残念ながら一回戦敗退となったが、彼がメジャーリーグにおけるベーブ・ルース以来のスターとして期待されていることは、画面を通しても十分に伝わった。

▶そして、今日はオールスター戦の当日。大谷は先発ピッチャーで1番DHで出場した。始球式直後の一番バッターとしていきなり打席に入った大谷だったが、いい当たりの打球はセカンドゴロとなった。チェンジの後は、今度は先発ピッチャーとしてマウンドに上がった。私に限らずテレビの前の日本人は、固唾を呑んで大谷のピッチングを見たことだろう。大谷は、160㎞のスピードボールを連発して三者凡退に退けた。

▶試合はア・リーグの8連勝という結果に終わり、大谷が勝利投手となったが、大リーグの野球中継がこんなにも身近になったことに驚きを禁じ得ない。確かに、野茂やイチローや松井の活躍なくしては今日の姿や大谷の存在は無かったかも知れない。それにしても、大谷の活躍はアンビリーバブルである。彼は「小よく大を制す」という日本的な技術・精神主義から見事に脱却して、大リーグ野球の本質であるパワーのレベルで、これに追いつき追い越している。

▶大谷の凄さは、自身が示すパフォーマンスが、あたかも努力や練習の積み上げといったこともなしに軽々とできているように周囲に見せていることにある。それが求道者であるイチローと大きく異なっている。体格的にもアメリカ人と全く遜色はなく、その運動能力は並みいる大リーグ選手を大きくしのいでいる。彼は、160㎞k超のボールを投げるピッチャーであり、リーグトップのホームランバッターなのだから、これはもう、日本人はもとより、アメリカ人にとってもヒーローなのだ。今回の野球中継を見ていてそれを確信した。

▶テレビを見ていて、普段はトンデモ発言もある長嶋一茂が、「(大谷の二刀流でのオールスター選出は)松山英樹のマスターズ優勝の2回分くらいの価値がある・・」と彼にしては説得力のあるコメントをしていたのが印象的だった。スポーツの価値が分からない共感性の低い玉川徹が、今回は全くと言っていいほど出番がなかったのにも笑ってしまった。

▶オールスターはお祭りだから、結果よりも選出されることに意味がある。さて、大谷がこれから後半戦でどんな結果を残すのか、今から楽しみで仕方がない。それにしても、巨大なクアーズ・フィールドにこれまた巨大な星条旗が現れて、その上をジェット戦闘機が飛びさり、そしてアメリカ国家が歌われる開会式の演出は、見ていても本当に鳥肌が立つような気分で、実際のところ、私は数年前にロスのドジャースタジアムで同じような経験をしたのだが、コロナが終わっていれば東京五輪もきっとこんな気分で見られたかも知れないと、昔を懐かしみながらつくづく思ったものだった。