マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

四国遍路日記(1の1)

▶JAL455便は、定刻の午前11時に徳島阿波おどり空港に着陸した。この空港に降りたのは初めてだが、名前がなんとも愛嬌がありますな。天気は快晴で、日差しにはまだ夏の名残りがある。接続している徳島駅行きのリムジンバスに乗ると、30分で徳島駅に着いた。

▶土曜日の昼前にも関わらず、駅前の人影ははまばらで、コロナ影響か、それとも本来がこんな感じなのか、区別がつかない。駅前のラーメン屋で早い昼食をとったが、ここも30人は座れそうな広さの店内に、私を含め3人しか客がいなかったから、やはりコロナ影響なんでしょうね。

▶ちなみに、ここで食べたラーメンは、細麺を使った濃口の焼豚醤油ラーメンで、炭火焼の風味が豊かで、かつてあった東金の「ぐうラーメン」を思いださせる味だが、話がややローカル過ぎるか。

徳島駅から高松行きの一両編成のディーゼルカーに乗った。県庁所在地を結んでいる列車が一両編成というのも、なかなか風情がある。20分ほど走って目的地の坂東駅に着いたが、ここはなんと無人駅で、一番札所の霊山寺は歩いて10分のところにあった。
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霊山寺は、四国遍路「発願の寺」と称される聖武天皇の勅願により行基によって開創されたと伝わる古刹であり、境内には応永年間(1400年頃)に建造された多宝塔が残っている。残念なことに、それ以外の堂宇は、戦国時代に、長曽我部元親によって焼かれてしまっているが、一番札所に相応しい堂々たる構えの寺である。

▶私は、寺に併設している遍路用品店で装束を整えてから本堂に参拝した。一応のしきたりに従い、灯明と線香を灯してからおもむろに般若心経を唱えると、やっと四国遍路の緒についたのかという思いが沸き上がってきて、やや胸がつまる思いだった。

▶その後は、予約してあった霊山寺近くの民宿に入った。