マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

四国遍路日記(3ー3)


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▶おかげさまで、こちらに来てから天気には恵まれている。今日も朝から青空で気持ちがいい。遍路3日目は、34番種間寺、35番清瀧寺とまわる。全体的に今回の遍路計画は1日当たりの行程を短くとっており、それだけ身体的には楽である。今日の歩行距離は、宿の関係で17㎞なので、午後の早い時間にホテルに到着する予定だ。

▶7時前に雪蹊寺門前にある宿(高知屋。遍路宿に珍しく、設備が新しい)を出た。女将さんの母親らしき人が見送ってくれたが、何となく心が温まる。川沿いの道をしばらく歩いてから、田舎道に入る。この辺りは50mくらいの小高い山が点在していて、その間の平地が田んぼになっており、遍路道はその間を通っている。時々道端に津波避難路の表示が出ているが(※だいたい平均海抜は5mくらいか)、四国の土佐湾に面している地域は、常に南海沖地震を気にしている土地柄なのだ。
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▶そうこうしていていると、種間寺に到着した。宿を出る際に30分ほど先行していた先輩遍路さんに、ここで追いつく。「早いですね」と言われたが、私が格別早く歩いた訳ではない。「早いですね」というのは、遍路の決まりの挨拶である。ただ、誰しも比較的朝方は真剣に歩くものです。先が長いので。

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種間寺は、平地に建てられた小振りの寺で、88ヶ所の寺の中にはこういう寺もけっこうある。20分ほど休んで、出発する。種間寺から1時間ほど歩くと大きな河に出た。仁淀川である。仁淀川大橋を渡って右岸の堤防に腰を下ろして一休み。天気がいい日曜日の午前なので、近所の人達も散歩を楽しんでいる。

▶河の中ではカヌーがモーターボートに牽引されていた。仁淀川は水質日本一と言われており仁淀ブルーが有名だが、河口近くなのでさすがにそこまでの色はない。しかし、ここから眺める景色は静かで平和で実にいい。f:id:Mitreya:20220410152530j:image
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▶ようよう腰を上げて、再び歩き出したのが午前10時半。このままだと次の清瀧寺には11時半頃になるか。35番札所の清瀧寺は仁淀川を見下ろす山の中腹にある。街の中を抜ける際に、遍路道を見失ってしまい、若干焦る。地図とグーグルマップを見比べながら、やっと登り口にたどり着いた。

▶ここからの上りはキツイが、徳島の「遍路ころがし」ほどではない。それでも、寺に着くまでには大汗をかいた。最後の数十メートルはさすがに大変だったが、無事に境内に到着。すると間もなく自家用車が次々と境内にある駐車場までやって来たのには興がさめるが、これが現代の遍路の姿だ。

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▶ちょうど正午を回ったところだったので、清瀧寺の境内のベンチに座って軽い昼食をとる。一緒にいた他の遍路さんも弁当を広げ、一時の会話を楽しんだ。その後は、急な坂を下りて麓の街中にあるビジネスホテルまで戻った。午後2時と早く着きすぎたので、近くのコンビニのイートインで時間を潰し、午後3時ちょうどにチェックインした。