マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

四国遍路日記(3ー6)

▶今回の遍路も、今日の37番岩本寺を打って終わりである。前後の移動日を除けば正味6日間の日程で、南国市内の29番国分寺から9ヶ寺を回ったことになる。今回は、高知市内を中心に時間をとって色々なところを巡ったので、総じて時間にゆとりがあり、結果的に思い出多き遍路の旅だったような気がする。

▶昨日は時間が余ったので、電車で宿のある安和駅から隣の土佐久礼駅までゆき、帰りは7㎞の道を歩いて戻って来た。従って今朝は、安和駅から7時22分の下り電車で再び土佐久礼駅まで行き、そこから遍路を再開した。(なんと言っても律儀に歩くのを信条としているので・・・)写真は、安和駅のホームから見た朝の景色。
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土佐久礼駅を7時半に降りて、途中のローソンで簡単な昼食を購入してから本格的に歩き出す。歩くこと15分で「そえみみず遍路道」の登り口に到着した。名前の由来は、道がミミズのようにのたくっているという意のようだが、その名の通りいきなりの急登が始まった。

▶途中、ミミズではなくヘビがのたくっているのを見つけて肝を冷やしたが、マムシではなくヤマカガシだったのがまだマシというべきか。急な登りの足場は極めて悪く、それにヘビまで気にしながら登るのは予想外に骨が折れる。休みたいが腰を下ろす適当な場所がない。疲れが足に来ているのが分かる。

▶その時、突然引き上げようとした左足の爪先が岩に引っ掛かった。体勢を立て直す間もなく、そのまま前に倒れ込む。両手にストックと遍路杖を持っていたので、手をつくと同時くらいに、そのまま口元を岩にぶつけてしまった。下の写真は、倒れた場所。写真では分からないが、急勾配なのだ。
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▶「しまった、やってしまった」という思いが頭に閃く。しばらくそのまま口元を押さえて痛みをやり過ごしながら、次に来る出血に備え、さあどうするか・・・。ところがしばらく経っても出血はない。痛みも次第に遠退いて来た。スマホを取り出して、自分の顔を写して確認すると、幸い切り傷はなく、単なる打ち身のようだ。全く不幸中の幸いである。

▶口元が少し腫れているが、歩行に支障はない。そこで再び登り出したが、その後はとにかく安全第一でゆっくり登って行った。結局2時間近く費やして最高地点を越え、平らなところを見つけてリュックを下ろした。一人で歩く山道は、こういう事故が怖い。

▶そういうアクシデントはあったが、その後は順調に下りの道を歩いて、「そえみみず遍路道」を越えることができた。舗装道路に出て来たときには、正直ホッとした。ところで山道を歩いている途中に、突然スマホに電話がかかって来た。誰かと思ったら日本生命の営業の女性で、年に一度の契約確認の電話だった。山の中でも電話が通じる。全く、冗談のような本当の話だ。

▶その後、平地の遍路道を歩いていたら、下の写真のような珍しい植物を見つけた。初めて見る植物で名も分からないが、私には衣をまとった坊さんに見えてしまう。そう見えませんか。
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▶歩いているうちに口元の腫れも次第に治まってきたので、結果的に騒ぐほどのことはなかったが、休憩所で持参のランチを食べてからの午後の行程は、かなり足にきた。やはり、急登に加えてアクシデントがあったことが影響していたようではある。休み休み、ようやく午後3時に、岩本寺に着いたが、疲れました‼️
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▶こうして色々あったが、何とか無事に今回の遍路も終えることができそうである。宿は寺の宿坊を予約してあるので、目の前にあるのがありがたい。明日は雨が降りそうだが、電車と飛行機利用で帰るだけだから心配はない。感謝を込めて、岩本寺の御本尊に合掌した。
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