マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な60代「男おひとりさま」の日常を綴っています。

四国遍路日記(4ー6)


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▶写真は、5月16日午前11時過ぎの39番延光寺である。思っていたより到着が早かったので、この寺の大師堂の裏縁で1時間以上の休憩をとった。訪れる人も疎らで、境内裏の山から聞こえてくる鳥の声に耳を傾けていると、眠くなってくるほど長閑だ。雨が上がって薄曇りとなっているのも助かっている。

足摺岬から延々と歩いて、やっとこの寺に到着したのだが、まる2日半かかった。足摺岬周辺は寺がまばらなので、こういう具合になる。昨晩泊まった大月の宿が、朝食抜きというやや変則的なスタイルだったので、今朝はその分を早めて午前6時過ぎに出発した。遍路に出ると、朝早いのは一向にかまわない。

▶ただ、出だしは小雨だったので、レインウェアの上着だけを着て歩いたが、宿毛(すくも)の海が左手に見えてきた頃には、雨もあがってきた。宿毛市は、豊後水道東側の宿毛湾に面していて、高知県の西端にある街だ。何かあるかと言うと、特に無いので・・宿毛の皆さんゴメンナサイ・・遍路にでも来ない限り、おそらく知ることはなかっただろう。その宿毛市内に今晩は宿をとってある。

▶話しは前後するが、昨晩泊まった大月の宿は傑作だった。先にやや変則的な宿と言ったのは、遍路宿で朝食を出さないこともあるが、この宿が居酒屋の2階にあるからだ。もともとは、居酒屋が素泊まりの宿を併設するスタイルだったそうだが、最近は遍路宿主体で、居酒屋の方は殆んどやってないらしい。宿泊者は階下の居酒屋で夕食をとるのだが、居酒屋で飲んでからすぐ上の部屋でバタンキューと寝られるというのは、考え方次第で酒呑みのパラダイスに変貌する。

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▶昨晩は、亭主と私を含めた客が2人だけだったので、3人で話しが盛り上がった。お互いに身の上話しをしたら、3人とも女房を亡くしていることが判明した。マスターは63歳だが、12年前に奥さんに先立たれ、3歳の子供が残されたのだという。その後の困難は察するに余りあるが、それと比べれば、我が身の方が恵まれていると、私ともう一人の客は深く思った次第。

▶そのもう一人の客は66歳で、小樽出身で定年まで東京で働いていたが、奥さんが亡くなったので、どういう訳か現在は高松市内に引っ越して一人暮らしをしながら遍路をしている。いろんな人がいるものだ。

▶マスターの話に戻ると、彼は千葉県出身で、どういう訳か、夫婦二人で埼玉からここに移り住んで遍路居酒屋の経営を始めた。奥さん亡きあと、現在は近くの別の所で寝起きしているそうで、お客さんに夕食を出したらそこに帰ってしまう。従って宿に残るは客だけという話なのだ。

▶だから朝食はなく、朝は勝手に出発して欲しいと言われて、その合理的仕組みには全く脱帽した。当然その分だけ料金もお安く、夕食つきで一泊4500円とは涙が出る価格だ。今朝は、もう一人のお客さんが先に出発したので、私は誰もいない宿を点検したあと一人出発した・・・とても変則的でしょ。