マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

趣味のバイクツーリング


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▶季節のよい春と秋には、愛用のバイクを駆ってツーリングに出かけるのを趣味としている。現在乗っているバイクはスズキ・バーグマン200で、2017年9月に購入した。最初に購入したのはホンダのビッグスクーター フォルツァ250で、これは自動二輪免許を取得した56歳の時のことだから、今から12年前になる。その後は調子に乗ってマニュアル車のホンダCB400も買ってしまい、一時バイクは2台となった。

フォルツァは、ビッグスクーター(とにかくデカイ)全盛時のバイクなので、機能がテンコ盛りだった。ABS装置や走行時に聴くことが可能なオーディオまで装備されていたから、250CCにも関わらず車重が250kgもあって、取り回しは大変だった。だが、このバイクには忘れ難い思い出がある。

▶2011年3月11日午後、東日本大震災が発生した。当時私は、勤めていた会社で災害対策を司る任にあった。発生から丸2日経った14日の朝、突然の停電で、JRや私鉄が全面ストップする。前日まで泊まり込んでいた東京の本社から、やっとのことで千葉の自宅に戻ったばかりの私は、今度は東京に出る方途を失った。しかし何としてでも東京に行かなければならない。そこで、危険を承知でこのバイクで大手町にあった会社まで駆けつけたのだ。

▶ヘルメットにジーパン姿で会議室に飛び込んできた私を見て、周囲の連中は目を丸くしていたが、本当のところ私は、(災害対策はさて置き)まだ新しかったバイクで東京まで通勤できるのが楽しくて仕方なかった。ちなみに、このバイクには一度だけ嫌がる妻を後ろに載せたことがある。この時妻は、帰りの高速道路(館山道)上で愛用のサングラスを落としてしまい、戻ってすぐに拾ってきて欲しいと私を困らせたのだった。

▶その後、私の興味は2台目として購入したCB400に移ったので、フォルツァには次第に乗らなくなった。仕方なく買った店に引き取ってもらったが、トラックに積載されて引き取られていくフォルツァを見送るのは、正直寂しかったものである。

CB400というバイクは、オーソドックスなスタイルで、操作性とパワーと環境性能が極めて高いレベルでバランスするホンダの誇る中型バイクだ。現在に至るまでその高い評判は継続している。しかし、残念なことに厳しい排ガス規制の関係で、今年の秋には生産中止になることが決定している。搭載する400㏄4気筒エンジンには、ホンダ独自のVtec機構が内臓されている。

▶このVtecは4輪車を前提に開発され、次いで2輪にも展開されたが、CB400のエンジン機構は4輪車とは別モノだ。CB400は4気筒(シリンダーが4本)にもかかわらず、エンジン回転数が5500回転未満では2バルブが停止して2気筒として振る舞い、それ以上に回転数を上げると4バルブが復活し、4気筒として段違いのパワーが発揮される仕組みとなっている。

▶実際、高速道路上などで時速105キロを超えてくる(回転数5500以上)と、段違いの加速性能を見せるのだ。私は臆病だから140キロ以上は出したことはないが、Vtecが作動し始めた時の異次元に入ったような加速感は凄かった。中型バイクとしては日本一だったのではないか。

▶私はCB400を愛したが、ネイキッドバイクとしては乗車姿勢の前傾がややキツイので、長距離では身体がガチガチになってしまう。これは私自身のライディングにも問題があったのだが、年齢も嵩んできて周囲も心配するので、もう少し楽なバイクにしようと思い、2017年に現在乗っているスズキ・バーグマン200に再び乗り換えた。

▶バーグマン200は、楽なバイクである。車体は最初に乗ったフォルツァより一回り小さい(車重は160㎏程度)が、排気量は200㏄を確保し、高速道路でも十分に流れに乗ることができる。スクーターなのでクラッチ操作の必要はなく、乗車姿勢もいたって自然である。もちろん名車とされるCB400程には所有欲を刺激されるものではないが、要するに疲れないバイクなので、この歳になっても安心して乗れるというのが最大のポイントとなっている。私はこのバイクに乗り出してから、今でもかなりの長距離を連続走行できるようになった。

▶そして昨日の土曜日。朝4時半に目覚めた私は、天気が崩れないことと予定が何もないことを確認した上で、北茨城の袋田の滝までツーリングすることを決断した。袋田の滝は以前CB400で行ったことがあるのだが、何せ遠い。明るいうちに戻れるか心配だったが、もうすぐ夏至で昼間は長いので、思い切ってバーグマンで行くことにした。

▶午前6時半に出発して、51号線を成田方面へ。成田で朝食をとり、鹿島サッカースタジアムの横を通って10時に大洗に着く。結構走った気分だ。大洗には苫小牧行きの商船三井のフェリーターミナルがあり、私はかつて妻と車でここから北海道に出かけたことがあるが、午前中のターミナルに人気は全くなかった。


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▶大洗から51号を水戸方面にしばらく走り、右折して6号線に入る。途中のマックでコーヒーを飲み、次いでガソリンを補充。6号から293号を経由し、常陸太田で349号線に入った。あとは延々と緑に囲まれた349号を北上する。実に気持ちいい。「道の駅さとみ」で小休止し、昼近くになって袋田の滝の道路標識が見えてきた。

▶ちょうど正午に、袋田の滝の少し手前にある「月居温泉」に到着。ここは2回ほど立ち寄ったことのある日帰り温泉。目的地まではもう一息の距離だが、焦らずにゆっくり温泉に浸かった。料金は450円で、来月から50円値上げするとのこと。昼間の温泉はガラガラで、アルカリ単純泉なので肌がツルツルするのが気持ちいい。

▶午後1時近く、袋田の滝に到着。入り口に近い「たきもと」という食堂にバイクを停めて軽く昼食をとる。鮎の塩焼きにノンアルコールビールを注文したら、おばさんがタケノコの煮つけの小鉢をサービスしてくれた。駐車代はタダで締めて700円は安すぎる。


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▶久しぶりの袋田の滝は、水量は少なかったが、壮観だった。入場料300円を払って200メートル程の地下トンネルを抜けると、滝の直下に出る。ここから見上げる滝の姿は圧巻。エレベーターで観瀑台に昇る。新緑に囲まれた滝は美しかったが、紅葉の時期にはさらにいいのではと思った次第。


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▶午後2時に袋田の滝を出発。本当は途中で「竜神大橋」を見物したかったが、道を誤ってしまった。時間の余裕もなかったので、ここは諦めて復路は予定外の118号線を通って水戸方面に戻った。袋田から大洗までは結構長く感じた。大洗から51号線で来た道を戻ったが、最後は大栄インターから東関道に入り、穴川まで高速道路を一気に走った。午後6時を過ぎて小雨が降ってきたが、たいして濡れることもなく、6時半に我が家に到着。12時間400kmに及ぶソロ・ツーリングの旅でした。