マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

2月の静かな日に

▶日曜日の夜の福島沖地震は、改めて東日本大震災の悲劇と怖さを思い出させた。大きな揺れに目をさますと、キャビネの上の置物が今にも落ちそうに揺れていたので、思わずそれを床に下ろした。ラジオをつけると、福島沖が震源とのこと。一瞬にして10年前のあの地震の記憶が蘇った。数分後に「この地震による津波の心配はありません」と放送があったので、私はひとまず安心して眠りについたが、東北地方では、心配で眠れない夜を過ごした人が多かったのではないだろうか。

▶翌日の朝、新聞は休刊日だったが、テレビは地震報道でもちきりだった。この地震によって、1700棟以上の家屋に損害が出て、ケガ人もかなり多く出たが、震度が大きかった割に致命的な損害が出ていないのが、不幸中の幸いであろうか。それでも、常磐自動車道東北新幹線は停止し、交通に大きな障害がでて、それは今も続いている。

▶追い打ちをかけるように、昨日の東北地方では低気圧の影響で強い風雨があった。損壊した屋根のすきまから人々の上に無情の雨が落ちたことだろう。コロナに痛めつけられた旅館が、今度は地震でまた痛めつけられている。人生って、本当に不条理なことが多いものだ。

▶明けて今日は火曜日。千葉では晴れて日が差す穏やかな朝となっている。庭のフェンス際に植えてあるユキヤナギの薄緑色の新芽が、午前の陽光に輝いて思いのほか美しい。スイセンも白い花をつけだして、我が家の庭にも少しづつ春がやってきている。庭先の小さな池で越冬していた金魚が、今朝は少し動き出した。サンダルを履いて庭に出て少し餌を与えてみたが、一口、二口しか食べなかった。部屋に戻ると、枯れたカエデの梢にヒヨドリが一羽やってきて停まったのが見える。食べ物がなかったのか、すぐ飛び立っていなくなった。

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▶私の母は、3年前に89歳で亡くなったが、彼女は2月が特に好きだった。一般のイメージでは、2月はまだまだ冬の最中でもあるので、私は母が何故2月好きなのか不思議に思っていた。ある時聞いてみると、母は「2月は心が落ち着くからね・・」と言ったのだ。確かに、今日のような日は、春が来て心が浮き立つようにざわめくにはまだ少し時間が必要で、さりとて真冬の何か抑圧されるような気分も次第に遠のいていく気配があり、なるほど心が落ちつくというのはこういうことなのか、と母の気持ちも分かったような気になった。

▶世の中、厳しい環境で2月の静かな日々を楽しめない人が多くいるなかで、一人こうして静かにブログを書いていられるのは、ありがたいことだ・・・。