マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

新型コロナ感染症に思う


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▶今日から年度が変わり令和3年度が始まったが、(当たり前過ぎて、思わず笑ってしまうが・・)私にとっては全く実感がありません。それでも、今日から新しい生活が始まるであろう友人・知己の顔を思い浮かべると、「お互い頑張ろうぜ!」と思わず言いたくなる。もちろん現在のようなコロナ禍のド真ん中にあっては、特にそうである。

▶昨年1月に突如として始まったこのコロナ騒ぎは、15ヶ月を経ても治まるところを知らず、現在にいたるまで我々の生活に多大な影響を与え続けている。昨年この騒ぎが始まった頃は、このウィルスの特性を含め分からないことだらけで、混乱に拍車がかかったことは記憶に新しい。しかし一年経って分かったことは、もう一度事実を正確に把握して、「正しく恐れる」ことの必要性だ。以下は、ヒマにまかせて既存の数字で遊んでみた考察です。

▶昨年の3月の初め、子供の命を守るためにと、突然の全国一斉学校休校措置がとられた。ちなみに、この頃の一日の全国の感染者数は、なんと47人(3月7日)である。状況不明の中での当時の首相の予防措置を目的とした政治判断であるので、これについて是非を論ずるつもりはない。しかし、結果論からすると、かなりオーバーシュートな判断だったようだ。この問題については、昨年の8月に文科省から学校の感染状況の分析が報告された。驚くなかれ小学校における感染事例はゼロである。中学・高校になると部活動による感染が報告されているが、学内感染の割合は7%程度で、子供の感染ルートの殆どは家庭内とそれ以外である。

▶季節性のインフルエンザは、昨年度の感染者数は統計に載らないほど少なかった。その原因は、皆が気をつけていたからだというが、それ以上のことは、よく分からない。通常は、毎年のようにインフルエンザが流行し、その原因の多くが学校における集団感染であることはほぼ常識となっており、であるがゆえにコロナ対策として学校閉鎖を決断したのだろうが、学校がコロナ感染ルートの原因とはなっていないのは、その後の経過が示している。

▶ちなみに私の娘は小学校教諭であるが、学校の現場でもこの事実は受け入れられているようだ。この報告では、教員の感染者51人も分析されているが、いずれも学校内感染ではない。また、インフルエンザの罹患率は15歳未満が最も高いが、こと新型コロナ感染症に限っては、子供の罹患率は層別に見ても明らかに低い。しかし、この原因は分かっていない・・・と報告書に書いてある。

▶同様に、コロナに関しては分からないことが多い。最たるものは、欧米と日本を含む東アジア地域の感染者数や死亡者の割合の大幅な相違である。京大の山中教授は、この原因には我々が未だ気づいていないファクターXが存在するはずだと去年から発信されているが、これについての信頼できる情報は、現在に至っても、どこにも見当たらない。

▶足下の新型コロナ感染症の致死率は、どうなっているのだろうか。昨日までの累計が新聞に載っていたので計算してみる。日本の総感染者数は475880人、死亡者9176人なので、致死率は1.93%である。インフルエンザの致死率は、0.1%という数字が流布しているので、これと比べると、新型コロナの致死率は相当高い。しかし、インフルエンザの本当の致死率は計算されていないと言うのが正しいだろう。なぜなら、2018年の厚労省発表の人口動態統計に報告されているインフルエンザの死亡数は3325人だが、これは医師が死亡診断書の死亡原因としてインフルエンザと記載したもののみを単純に集計しているからだ。それに、そもそもインフルエンザの感染者母数を正確には把握できないという問題はあるが、これについては今回は除外して考える。

▶コロナ感染者が亡くなった場合、最後は心不全だろうが肺炎だろうが、死亡原因は新型コロナ感染症と分類記載されるのは現在では疑いがない。なぜなら、皆がそれに極めて高い関心をもっているからだ。しかし、風邪を引いたりインフルエンザに罹った高齢者が肺炎でなくなった場合、死亡原因にインフルエンザと記入するか肺炎と記入するかは、少なくともこれまでは全く医師の裁量であり、そこにあまり厳密性は求められていない。犯罪でもない限り、死亡原因の特定に関する厳密性は必要ないからだ。遺族の立場からしても、高齢者が死亡した場合の病名の特定など、気にしないのが普通だろう。

▶従って、間接原因を含めた死亡を考慮すれば、インフルエンザの死亡率は想定されているものより高くなるのは、間違いない。昔から「高齢者は風邪を引くな」と言われているのはそういうことなのだ。

▶それでは、コロナの死亡率に関しては正確なのだろうか。PCR検査で陽性となった人を感染者として死亡率を計算すれば、1.93%という既に記した数字は正しいだろう。しかし、PCR検査を受けていない潜在的なコロナ感染者(無症状)は、相当数に上るはずで、仮にこの人たちを含めた感染者を分母に置いた場合の致死率は、逆に相当低下するはずだ。インフルエンザにしろコロナにしろ、正確な死亡率など計算できないというのが実は本当だろう。では私達は、何をもって新型コロナ感染症の脅威(=本当の致死率)を判断するべきなのだろうか・・・。

▶これについては、実験に近い正確なデータがある・・・と私は思っている。それは何かと言えば、日本人にとっては象徴的なダイヤモンド・プリンセスのデータである。この大型客船は、昨年1月20日に横浜港を出港し、香港に寄港した際に80代の男性一人が新型コロナウィルスに感染していることが確認され、那覇経由後、2月3日に横浜港に戻って来てからは大騒ぎになったのはご存じの通り。大型客船という周囲から隔離された空間に、3713人が乗船していて、コロナウィルスがバラ撒かれ、そして放置(※殆ど3密の状態で、しかも行動制限がなかった・・)された結果、712人が感染し、14人が亡くなった。結果論だが、この恐怖の実験とも言うべきイベントに参加された2645人の乗船客(※しかも殆ど高齢者)と、1068人のスタッフの人達にとっては、本当に気の毒なことになったとしか言いようがない。

▶さて、これらの数字が全て事前に知らされているとして、同じ前提で私がダイヤモンド・プリンセスでクルーズに参加した場合の死亡リスクは、0.37%(=14人÷3713人)である。(※なお、感染ベースの致死率は1.96%で、先にあげた日本全体の致死率1.93%とほぼ同じである。)乗客が殆ど高齢者で、しかも3密空間が長時間放置されたという前提は、コロナの脅威を考えるにあたっては最悪だが、この前提は、私が乗船するとした場合のリスク前提(※死亡リスクを考える)にマッチする。

▶私が考えるコロナ死亡リスクは、感染率と発症率と致死率の積に例えられ、非常に大雑把ではあるが、それが図らずもこの客船で実証された0.37%と言う数字である。この数字を高いとみるか低いとみるかは、個人の人生観によって変化する。一つ言えることは、実際のイベント参加のコロナリスクは、1.93%という発表致死率より低くなることは、ほぼ確かだろう。簡単に言えば、私がもしコロナ的にヤバイ場所に長時間滞在することになった場合の死亡リスクは、ダイヤモンド・プリンセスのケースを前提として考えた場合、1000分の4程度と計算できるということだ。

▶ところでダイヤモンド・プリンセスは、装い新たに横浜発着の新規クルーズを既に販売している。今予約すると一人最大150ドルの船上おこずかいがプレゼントされるようだ。(そのニーズはないが)調子に乗って予約したりすると、息子や娘達から大目玉を食いそうなので、小心者の私としては、怖くてとても近づけない。さて、予約は順調に進むことになるだろうか・・・。