マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

クルマを乗り換える


f:id:Mitreya:20230803065951j:image
▶梅雨明けの太陽がジリジリと照り付ける庭を眺めながら、エアコンの効いた部屋でこうしてパソコンに向かっている。新型コロナと共に始まった一人暮らしも早くも4年が経ち、気がつけば今年も既に半年が過ぎた。3月には四国巡礼の総仕上げを行い、6月には念願のパリ一人旅が実現。7月には青森八甲田山の大岳の登頂と奥入瀬渓流の全行程散策を果たす。ここまでは年初に立てた計画どおり。しかし、ここにきて長年親しんだ愛車の乗り換えまで行ってしまったのには、少しやり過ぎたかなと思わぬでもない。

▶現在のクルマは9年前に新車で購入したクラウン。大事に乗っていたので内外装とも傷みは殆どなく、既に65000㎞近く走ったがエンジンはいたって快調で、乗り心地にも全く不満はない。かつてはこの車で北海道や東北、北陸方面にも足を延ばしたので、このクルマには人生の思い出が沢山詰まっている。つまりこのクルマは私にとっては既に相棒とも言っていい存在なのだが、一方で一体いつまでこのクルマに乗り続けられるのか・・・否いつまで乗り続けるべきなのかと、昨年あたりから真剣に考え出した。
▶もともと四国巡礼が終われば、次は年に一回程度の海外旅行とクルマ(もしくはバイク)による国内旅行三昧というのがそもそもの基本構想で、その場合のクルマは、どちらかと言えばアウトドア系で車中泊もできるようなものがいいと思っていた。ただ車高の高い流行りのSUVというのはどうも私は好きになれない。検討候補に挙げていたのがスバルのステーションワゴンレヴォーグで、流麗なスタイルと走りの良さと先進の安全性が魅力である。これにはクラウンの前に乗っていたレガシーが、とても良い車だった記憶が少なからず影響している。

▶ただ、レヴォーグがターゲットとしているのは活動的なミドルエイジで、これから10年は乗るつもりの私くらいの年恰好の男に、果たしてこの車の持つ雰囲気がフィットするかどうかはいささか不安がある。確かに車中泊は面白そうだが、(※かつて妻と二人でレガシーで車中泊した思い出がある)この年齢の私がこれから本当に一人車中泊をするかのかと自問すると、かなり疑問符がつかざるを得ない。それに、若い人が高級車に乗ったり年寄りがスポーツカーやSUVに乗るのを否定する訳では全くないが、人がその車に乗って似合うかどうかというのは、その人の着ている服が似合っているかどうかと同じく、少なくとも私にとっては選択にあたっての重要なポイントの一つとなる。

▶お金の問題は別にして、高級腕時計や外車(レクサスも含め)が全く似合わない(興味がない)私のような者にとっては、やはり国産のセダンあたりが最も似合うのではないかと改めて思うようになった。ところが、昨年発売された頼みの綱の新型クラウンが、ターゲット年齢を大幅に引き下げたためにSUV化してしまい、しかも横幅は外車を意識して拡大したことから、車庫入れなどの取り回しが格段に難しくなり、もはや日本のクルマとは言えなくなっている。これは私のような伝統的クラウンファンにとっては、トヨタから切り捨てられたと感じざるを得ない所業である。つまり乗るべきクルマがなくなってしまったのだ。

▶というような訳で今年の5月に今のクルマの車検を迎えたが、とにかくあと2年は乗るつもりで、バッテリー交換など少し金はかかったが、新たなメンテナンスパック契約もディーラーと結んで車検を取った。こうなったら今の車を乗りつぶすのも悪くはないかなと再び思い始めた。なにより現在のクラウンには不満はないし愛着がある。ところが、青森の八甲田から戻った7月の初めにネットを見ていたら、偶然にも220系クラウンのことを知った。220系とは、2018年にフルモデルチェンジした15代目クラウンのことで、最新クラウンから見るとの1代前のクルマといえる。
f:id:Mitreya:20230803070121j:image

▶このクラウンは、私が乗る14代目クラウンからデザイン面で大幅に変化しており、セダンとはいいながらも車体形状はクーペに近く、欧州車の雰囲気がある。最も進化しているのは安全性能で、高速道路での自動運転(レベル2)やアクセル・ブレーキの踏み間違いなどにも対応しているので、これから高齢期を迎えるドライバーにとっては、必須と言ってもいい機能が搭載されている。私はこれまで事故の経験はなく、運転にも自信があるので今のクラウンの運転に全く不安はないが、これから10年乗るつもりなら、今からより安全性の高い車に乗り換えるというのも有り得る選択かと思い始めた。新型クラウンが選択の対象とならない現在、220系クラウンが最も私の好みにマッチしている。

▶ところで220系クラウンは既に生産を終了しており、現在は全て新型クラウンに切り替わっている。従って、買うなら中古車しかないが、もし比較的新しく程度のいい220系を狙うなら、早い方がいいのは当然だ。数年待てば数年分古くなる。とういことで、俄然買う気が漲ってきて、ネットで候補車を片っ端から探し始めた。関東地域で売り出されている220系のうち、令和2年登録(つまり3年落ち)のモノをしらみつぶしに探して、なるべく程度のいいものをリストアップ。ちなみに220系の後期型は、ナビ画面などが大きすぎて、こちらも私の対象からは外れる。

▶リストの中からこれはというものをピックアップして、実際に販売店に電話をかけると、すでに商談中とか商談済のものばかりで、やはり良いものはすぐに買い手がつくようだ。背景には新車注文の場合、モノによっては1年以上も待つ必要があるというので、需要が中古車に向かっているという特殊な状況もあるようだ。とにかく片手間に探しているようでは本当に良いものは手に入らない・・・。

▶そしてとうとう埼玉の上尾で3年落ちの美品を見つけた。すぐに電話して在庫確認し、翌日の午前10時に上尾まで出かけて行った。私が今乗っているクラウンも年式の割には美品だが、展示してあるクラウンも美品であった。特に内装は全くキズや汚れがなくて、これで3年乗ったとはとても思えない。しかし外装をチェックすると、左下側面ガード部分と左前のホイールに擦ったような傷が出来ている。販売店のスタッフも、もしこのキズがなければあと20万円は高く売れますとのたまう。

▶確かにそれ以外の小さな傷は全くと言っていいほど見当たらず、何より内装が新車同様なので、一編に気に入ってしまった。内装にキズや汚れがある場合、その修正ははなはだ難しいが、外装のキズそれもホイールやガード下などは簡単に交換または治せる。そのキズがあったためかどうかは知らないが、昨日この車の価格を10万円値下げしたばかりだということを知り、それなら買いましょうということになった。本格的に車の乗り換えを思い立ってからまだ1週間も経っていない日のことである。

▶その後は、現在乗っている車の下取り交渉をするも、こちらは私の考えている価格(全部で数社から見積もりをとったが)と開きがあったので、最終的には別の買取業者に買い取ってもらうことにした。こちらの交渉はこれはこれで大変だったが、終わってみれば大変面白い経験だった。先日その業者に愛車のクラウンを引き渡したばかりだが、過去の思い出は過去のものとして、これからはまた新しい車を相棒にして、一つ一つ新たな思い出を積み重ねていくしかないと切に思った次第でした。