マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

RSウィルス感染症


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▶今朝、都内に住む次女から電話がかかってきた。何かと思ったら、一歳になったばかりの孫娘が感染症で入院したという知らせだった。すわコロナかと聞くと、RSウィルス感染症だと言う。先週土曜日に発熱して、その後5日も40度の熱が続いて、最終的に近くの病院に入院することになったというから、話は穏やかではない。電話をくれた次女自身も、咳と発熱があり、とにかく、すぐに夫君も含めて病院に行って診てもらえと強く言った。

▶RSウィルス感染症なんて、聞きなれない言葉なのでネットで調べてみると、意外なことが判明した。実は知らないのは私ばかりで、6月13日のNHKのNews Webに「子どもが感染、RSウィルス感染症患者急増、コロナ対策影響か」という記事が出ている。国立感染研究所によると、5月30日までの一週間にRSウィルス感染症の患者が、全国で7818人報告されているという。同じ対象期間に、去年が13人、一昨年が1028人、3年前が949人だから、今年は激増と言ってもいいような状況なのだ。感染者数からみても、コロナに比肩し得る状況だ。

▶一般に、殆どの子どもは、2歳になるまでにRSウィルスに感染し、いわゆる風邪のような症状が出るが、一歳未満の乳児の場合、特に重症化するリスクが高いから要注意だ。孫娘の場合、血中酸素濃度の低下や肺炎症状も出ているので、正直私は心配している。このウィルス感染症には、直接効く薬はなく、対症療法しかないのが新型コロナ感染症と全く同じだ。とにかく今は本人の体力を信じて早期回復を祈るしかない・・・。

▶このRSウィルス感染症の為、都内の小児科の病院はベッドのひっ迫度合が高まっている。小児科の場合、状況からすると、コロナよりはこちらの方が大変になっているかもしれない。ワイドショーでは、毎日コロナ、コロナと騒いでいるが、感染症はコロナだけではない。人類が感染症を完全に克服したといわれる例は、唯一天然痘だけであり、それ以外の数えきれないほどある感染症は、エイズ結核、風疹、はしかを含めて依然として活発に動き回っているのが現実だ。

▶ウィルスは、多細胞生物と異なり、短期間に変異することが知られている。ウィルス自体が生物とも無生物とも言えない存在だから、変異=進化と言っていいかどうか分らないが、いずれにせよ猛烈なスピードで環境に対応する能力を持っていることだけは間違いない。新型コロナウィルスも現在進行形で変異しており、それに対して新たな対策が求められているが、要するに医学とウィルスのイタチごっこのようなものだ。

▶20世紀の後半になって、多くの感染症が近代医学の軍門に下ったように見えるが、実はそうではない。だとすると、「人類がウィルスに打ち勝ったしるしとして云々・・」という言い方は、驕った考えなのかもしれない。残念ながら我々には、ウィルスと共に生きて行く選択肢しかないのだ。