マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

恐るべしマキタの掃除機


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▶現在の家に引っ越してきてから、テーブルの下などを気軽に掃除できるようにという目的で、マキタの掃除機を買った。その掃除機もとうとう寿命を迎えたようで、最近は満充電しても殆ど吸い込まなくなった。マキタの掃除機とは、新幹線の清掃などで清掃員が使っているハンディタイプの「あれ」である。業務用の掃除機としてはシェアが高いらしく、私が勤めていた会社の清掃員の方も、マキタを使っていた。

▶我が家には今でもコードのついた大型掃除機があり、こちらの方は先端にブラシがついていて自動回転する。ゴミが詰まったりすると、先端のLEDが点滅して知らせてくれたり便利な機能が満載で、しかも吸い込み仕事率が高いので、文句のない機能なのだが、使わない。なぜなら手軽でないからだ。クロゼットから出し入れするのも面倒だし、かといって居間に置いておくと邪魔だし、見た目も悪い。

▶当然の成り行きとして、掃除はもっぱらマキタの掃除機でやるようになった。この掃除機の最大の利点は軽いということで、階段掃除などには大いに力量を発揮する。唯一の弱点としては、吸い込み仕事率が相対的に低いということだが、幸いにして我が家では床はフローリングと畳が主体なので、この面からは全く問題はなかった。普段は、台所の奥の壁に打ち付けた釘に引っかけてあるが、その隣には箒も引っかけてあるので、使い方としては箒と一緒ということだ。

▶ところがこの一年くらい、その愛用のマキタの掃除機の吸い込みが目立って低下してきた。吸い込みが悪くなったのは、モーターの出力低下か、はたまたフィルターの目詰まりかと思って、掃除機内に溜まったゴミを捨てるときなど、それとはなくフィルターも掃除してきたが、事態は改善しない。買ってから何年経ったか忘れるほどだから、おそらくモーターの劣化が原因だろうと思い、買い替えをすることにした。それに、ヘッドの部分などにも取り切れないゴミや垢が溜まって、見た目も悪いしね。

▶先日長女の家に行った際に、彼女の家のハンディ掃除機を使ったが、こちらは高機能だったが、使い勝手としてはやはりマキタに軍配が上がる。よって、今度もマキタにすることにした。さて、マキタと言っても機種は色々あるので、どんな機種にするかと思ってネットで色々調べると、何と私が使っている機種と同じものが現在でも販売されているではないか。品番は僅かに異なるが、仕様は殆ど同じである。取り扱い説明書も公開されている。そこで、何気なく覘いてみた。

▶吸い込みが悪くなったらフィルターを掃除してくださいとの図解があり、「だから掃除してもダメなんだよね」と思いながら見ていると、フィルターには外部フィルターと内部フィルターがあるので両方掃除してくださいとある。内部フィルターなんて知らないぞと思いながら、さっそく我が家の掃除機を引っ張り出して分解すると、確かに内部にフィルターらしきものが見える。そこで、風呂場に行っておもむろにプラスティック製の外部フィルターを外したら、10年分のホコリをまとった不織布製の内部フィルターが出てきた。

▶驚きのあまり、しばし目が点になる。そこでダメもとで水を流しながら歯ブラシを使って内部フィルターをこすっていると、キレイになった。それならついでにということで、ヘッドの部分やゴミを蓄積する本体部分を外して丸ごと水洗いをすると、そちらも見違えるようにキレイになった。しばらく太陽の下でフィルターを乾燥させ、足りない部分はドライヤーを使って乾かして組み立て、充電が完了した電池を装着してスイッチを入れた。

▶結果は驚きの性能の復活だった。床の上の綿埃がヘッドに向かって吸い寄せられていくのが見えるほどで、掃除機を使うことのストレスが全くと言っていいほどなくなっているのだ。しかも手元にある本体部分の開口部から風が吹き出しているではないか。こんなことは今までなかった。私は全てを理解した。10年間近く内部フィルターを放置しておいたことで目詰まりが進み、結果として、いくらモーターが回転しても、掃除機が空気を吸い込むことはなかったということを・・・よくもこんな状態で掃除をしていたものだ。

▶マキタの掃除機が凄いのは、その機構のシンプルさにある。電気部品が使用されているのは、モーターと電池とスイッチだけで、それ以外は全て簡単に分解できて水洗いできてしまう。従って、耐久性も極めて高い。掃除機の能力は、モーターと充電池だけで決定しており、過剰な機能が全くついていないのも好ましい。毛足の長い絨毯を掃除するならともかく、そうでなければマキタ掃除機の能力は必要かつ十分である。ここまで割り切った設計思想というのも、昨今の電気製品の中では見ることがない。清掃業界で、マキタの掃除機がほぼ独占しているのも、むべなるかなということか。

▶年末には、10年振りに掃除機を買いかえようと思ったが、その必要はなくなった。復活した掃除機を使って大掃除をするのが楽しみだ。最近は、機械・金属・電機・半導体などの産業の地盤沈下が叫ばれて久しいが、日本のモノづくりも、まだまだ捨てたものではない。マキタ、恐るべし。