マイトレーヤの部屋から

徒然なるままに、気楽な「男おひとりさま」の日常を綴っています。

四国遍路日記(5ー5)


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▶今日はいきなり宿泊施設の話から始める。泊まったのは松山から今治に入った所にある「マリーナ・シーガル」という瀬戸内海に文字通り面した5階建ての施設で、本来はヤマハが自社顧客のために建設したプレジャーボート基地で、ヤマハは多くの顧客のボートをここで預かり、顧客はここに滞在して瀬戸内海のクルージングを楽しむというシステムになっているようだ。(以下はゲスの勘繰りですので・・)

▶天下のヤマハが自社顧客のために建設しているので、写真で見る通り、施設には顧客から預かったボートを搬送するための巨大なクレーンが設置されていて、格納庫にはあまたのヤマハの最新のボートが格納されている。この施設にはホテルが併設されていて、ここでは船舶免許を持たない顧客のために、合宿しながら免許取得できるように講習会が定期的に計画されている。

▶さて、なぜ私がここに泊まったかというと、私の事情からすれば、10㎞圏内にここしか宿泊場所が存在していないということに尽きるが、ヤマハ側からすると、施設利用者が激減しているので、多少でも日銭が稼げればと思ったに違いない。断っておくが、これはヤマハに聞いた訳ではなく、要するにゲスの勘繰りである。

▶素泊まりで4400円の部屋から、瀬戸内海が一望でき、ツイン部屋のしつらえも国際級なのには恐れいった。窓の外の日没の景色は瀬戸内海の絶景である。ところが今晩の宿泊客は私だけ。管理人は夜中は常駐していないのは、今回最初の宿の「いかだや」と同じ。しかし、ここに歩き遍路が泊まるというのも違和感があるよなあ・・・。
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▶話を遍路に戻す。今朝は道後温泉近くの大規模ホテルを6時過ぎに出発。ホテルの朝食が7時からなので、朝食をパスした。途中、松山市内の松家で牛めしを食べた。松山市内を約10㎞近く歩いて52番太山寺に着く。ここは51番石手寺と同じく国宝級の建築物が有名だが、こちらは金回りがいいのか、広大な寺域は比較的良く整えられている。何せ仁王門から本堂まで570m以上はあるし、本堂から納経所まで250mも離れているのはギネス級だろう。
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太山寺に着く直前に道に迷った。二股に遍路道が分岐しており、右側の本命とおぼしき道の正面にはこれより私有地につき入場禁止の看板が目についたので、怪訝に思いながら左側の道を登って行くと、しばらくして遥か離れた所から、「おーい、道が違うぞ」と言う声が聞こえる。振り返ると人が手を振っている。

▶やはり道が違っていた。正しい道は入場禁止の看板を避けるように続いているのだが、これでは皆さん間違えるはずだ。教えてくれたおじさんに感謝しかない。

太山寺から53番圓明寺までは2㎞しか離れていない。太山寺が深山にある山寺とすると、圓明寺は車が通る道路沿いにある町寺だ。朝出発時にはどんよりとした曇り空だったが、ご覧の通り空は晴れわたり暑い。
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▶圓明寺の参拝を済ませたのが11時前で、これから本日の宿舎まで20㎞を歩かねばならない。実際のところ、暑さもあって厳しい行程だった。途中で、突然瀬戸内海が見えだすと俄然気分は盛り上がった。道沿いの海の景色は絶景だ。
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途中で休みたいベンチを見つけたが、日差しが強すぎるので諦めた。

▶コンビニで飲み物を補給しながら、やっとのことで宿舎の「マリーナ・シーガル」が前方に見えてきたのは、なんと午後5時でした。本日は30㎞歩きました。自分を誉めてあげたい気分だ。夕食は近くのコンビニで買ったビールとツマミで一人乾杯。こういうのもいい。真ん中の夕景の写真はその時のものです。